夏の昆虫観察まとめ

Sugiya

2015年10月08日 19:07

一昨年から気に掛かっていた「アカボシゴマダラ」の観察をきっかけに

この夏は、ホームエリアの敷地内でずっと定点観察をしていたので、記憶のあるうちにまとめておきます。

まずは、人為的外国産亜種の放流(放蝶)で生息域を拡大している「アカボシゴマダラ」




一昨年は一度目撃のみ、昨年は複数回目撃も写真なし(だったかな?)

今年は、初夏の頃に夏型らしき個体を目撃してからは敷地内の榎をチェックする事からはじめて

7月17日  雨の中、羽化直後と思われる個体を初採集。。
        以後、敷地内の背丈1m前後の幼木や、数mの幹から伸びた低い枝から卵・初齢~
        2・3齢の幼虫を発見。

8月      各所で幼虫を発見、最大30匹前後。 全て手の届く範囲の高さの低木(榎)にて
        そのうち半数は1mにも満たない幼木。
        月末の頃には終齢に達していると思われる個体も5~8頭を確認。
        ただし、個体数は成長とともに減少傾向となっていった。
        実際に終齢幼虫がカマキリの餌食になっている場面を目撃したし、幼虫のいる枝にい
        るカマキリも3~4度と目撃しているので、恐らく淘汰されたと思われる。
        当然、蜘蛛や寄生蜂・蠅も天敵ではあるが、この地ではカマキリが最大の捕食者で
        あろう?
         8月は、終齢幼虫を持ち帰り、3頭を羽化させる事ができた。

9月     朝晩が涼しくなり、エノキの葉が黄ばみだす頃となると、幼虫の姿は殆ど見受けられな
       くなった。
       その代りに、蛹や蛹の脱け殻を見つけることと、なった。
       月末現在で、蛹4頭(3頭はすでに羽化)、完全な脱け殻12
       羽化を確認した3頭のうち1頭は、蛹の皮が後翅に絡まり雑巾を絞ったような状態で抜
       け出せずにいるのを発見。保護するか迷ったが、世話できる自信無いので・・・・。
       2~3日はそのままの状態で生きているのを確認したが、4日目には捕食されたか、風
       に吹き飛ばされたかいなくなっていた。これも自然淘汰なのだと思う。

10月1日    背丈50㌢程度の榎幼木にて、初齢幼虫1頭、と先月末から同じ葉上であまり成長
        していない2・3齢を確認。 蛹は背丈1mほどの幼木で1頭を確認。


とりあえず、まとめてみます!
一昨年の静岡新聞掲載記事から、小山町で繁殖活動が確認されていたアカボシゴマダラはさらに西進を進め。今年の春までにはすでに富士宮市までその繁殖域を拡大している。ここ裾野市においては、春~夏を通して成虫が確認されており、また春型成虫~卵~幼虫蛹~夏型成虫~卵~幼虫までは自身でも確認している事と成虫の目撃数の増加からも足高山嶺では普通種になっていると予想します。
今後は、越冬幼虫~春型終齢幼虫・蛹~春型成虫までの追跡観察をしていきたいと思います。

次に関東まで繁殖域を拡大している「ナガサキアゲハ」




偶然採集したアゲハの蛹。羽化するまではクロアゲハと思い込んでいたのですが・・・・。
釣行するたびに必ず覗き込んでいた金柑の木では、モンキアゲハ・クロアゲハの幼虫しか見た覚えが無かったのです。
来年は是非、飼育観察して、アゲハ最大級の幼虫を育ててみたいと思います。

最後は、夏の終わりに見つけた「シンジュサン」





最初に見つけた幼虫群とその後の1郡で繭の確認数は一つの木に20個以上。
天候が良ければ年2化との事なので羽化する姿がみれるかもとは思うのですが、こちらは持ち帰りを家族から拒否されてしまいました。
今のところ、、羽化した形跡のある繭は無いので、このまま越冬するかもしれません。 
繭を作った時期が同時期ですので、羽化も一斉となれば大型のヤママユが一つの木にズラッと並ぶのは見ものだと思うので今後も引き続き観察していきます。

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